東金市・大網白里市・茂原市の女性の離婚の法律知識

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女性のための離婚知識Ⅰ

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夫の主張に負けない~妻の離婚知識と交渉術1

1、財産分与編

Qでは、私は専業主婦ですが,どのような基準で、どのくらい財産分与してもらえますか。

A財産分与(清算的財産分与)においては、分与の割合は公平であることが必要です。そのため判例では、財産形成に対する夫、妻それぞれの寄与度(貢献度)によって決まるという考え方をとっています。
これは、たとえば夫だけが働いていて収入を得て、妻は専業主婦で会社などに勤めていなくとも、夫の稼いだ収入は夫婦が共同で形成したものとなるのです。
夫が収入を得られるのは妻の協力、内助の功があるからという考えに基づきます。
分与額は夫婦によりケースバイケースです。一般的には結婚生活が長ければ夫婦で築きあげた財産も多いと思われ、分与額も多くなるでしょう。
なお、貢献度は夫婦とも原則として2分の1というのが現在の主流の考え方です。妻は2分の1もらえますので主張しましょう。

Q財産分与の請求はいつまでできますか。請求できる期間とかあるのでしょうか。

A離婚の財産分与請求権は権利を行使できる期間があります。すなわち離婚時から2年です。請求期間に注意しましょう。
また実際問題として、たとえ2年以内でも請求時にその財産を所有ないし管理をしていた側が転売したり、預貯金や現金を消費してしまうこともあります。
たとえば、離婚時に土地や建物やマンションなどの不動産を夫名義で所有していたのに、離婚後、夫が第三者に売却してしまうとその第三者には請求することが難しくなってきます。注意しましょう。

Q財産分与の具体的支払方法はどう請求すればよいでしょうか。

A財産分与や慰謝料の支払いは、できれば分割せずに一括で済ませる方が無難です。一括で受け取ることができれば、後になって不払いなどのトラブルが起こらないからです。やむを得ず分割にする場合でも最初に支払う頭金を多くするなどの工夫をしましょう。
離婚して、別々に生活し始めれば、たとえ法律的に義務付けられたとしても、なおざりになりがちになることがあります。
遠くに引っ越してお互いの距離が離れたり相手が再婚したりすれば、なおさら支払いが滞ることにもなりかねません。
協議の結果、分割払いに決まった時は、支払の時期、金額、方法などについて、取り決めたことを必ず強制執行受諾文言入りの公正証書として書面で残すようにしましょう。
このようにしておけば、万一相手方が取決め等を守らないトラブルが生じても公正証書にもとづいて(裁判しないで)、相手の財産を差押えることなど強制執行ができます。
口約束だけで、公正証書を作成しなかったがために、泣き寝入りすることのないようにくれぐれも注意してください。

Q財産分与を金銭でもらうとき、一括で支払ってもらえればよいのですが、分割払いとなりそうです。この場合に注意すべきポイントはなんですか。

A離婚協議書では、使用する文言として、給付条項とすることです。「金○○万円の支払義務があることを認める」では不履行のとき強制執行できないので、「○○万円を支払う」というように給付条項にして、強制執行できるように条項を記載することになります。
そして、公正証書(執行認諾文言付)で作成することです。

また、期限の利益喪失約款を設けておくことも忘れてはいけません。
これは、支払義務のある者が支払いを怠った場合に、その怠った部分のみではなく、支払期日の到来していない将来の分についても今請求できるようにすることです。これがないと強制執行できるのは、支払期日の到来している分のみとなり、将来の分について支払いを確保しようとすると、仮差押手続を要するという煩雑なことになってしまいます。
なお、ポイントとして、確実に支払われるようにするには、夫所有の不動産に抵当権を設定したり、資力ある保証人を付けるなど約束が実行されるための更なる工夫が必要です。ただこれらは、相手方の義務ではないので、相互の話合いの中で取決められることになります。

Q夫婦共有(持分2分の1ずつ)でマンションを夫婦で共有しています。私(妻)はマンションの夫の持分が自分のものになれば離婚しても良いと思っています。財産分与の条項を作成するうえでポイントはなんですか

A不動産が共有になっていると、夫の持分の一部のみを分与するのか、全部を分与するのかを明らかにする必要があります。そのため、離婚協議書の条項では「夫の持分全部の財産分与」と記載します。

Q財産分与として1,000万円の支払を受けられるなら、私(妻)は離婚しても良いと決意しました。その場合、妻が居住している自宅を明け渡すことになりました。注意すべきポイントはなんですか。

A、明渡期限を守らせる場合は、約束を破った場合の罰則として「1か月につき○万円の損害金を支払う」というように、損害金の支払を約束します。
なお、明渡の反対給付として、金銭の支払が予定されている場合には、明渡と金銭の支払を同時履行とします。

Qでは、妻が家屋を明け渡した後トラブルが発生しないようにするには、私(妻)としてはどうしたらいいですか。

A明渡後、家屋の状態について、夫から文句を言われても困ります。そのために「現状有姿のまま明け渡す」という文言を入れます。また、家財道具などの動産類については、後日意外とトラブルになりやすいです。そのため、残置動産の「所有権放棄」の文言を入れておく必要があります。

Q引き続き私(妻)が夫名義の自宅に居住できるのなら、夫の離婚の申入れをうけようと考えています。注意すべきポイントはなんですか。

A夫名義の家は、夫婦共有財産であると考えられます。財産分与として2分の1ずつ分けることになります。
すると、私(妻)は、夫の持分を買いとるなどして、全部を自分の名義にすれば安心です。その資金がないと、離婚した夫婦同士の共有状態となります。しかし、このままでは、将来トラブルの原因ともなります。
そこで、財産分与として、使用貸借とか賃貸借とか設定するのも解決の一つでしょう。

Q夫名義になっている自宅を売却し、私(妻)はその代金の2分の1を財産分与してもらうことになりました。注意すべきポイントはなんですか。

A夫が自宅を売って得た代金を隠してしまえば、妻は約束された売買代金の2分の1を受け取れないことになります。
このような場合に、妻の権利を確実に確保するためには、裁判所に保全処分(仮差押え、仮処分)を行って、登記上に妻の名前が記録されるようにします。
すると、自宅の買主は、その登記の抹消を要求するから、必ず妻に連絡がきて、保全処分の取下げ書と交換で財産分与金を受け取ることができます。
あるいは、抵当権設定の仮登記しておきます。ただ、仮登記をするには所有名義人の同意が必要となります。
なお、妻は約束された財産分与金をもらうまでは、決して家屋を明け渡してはなりません。財産分与金と引換に明け渡すこと、「同時履行」とすることです。

Q私(妻)は離婚の財産分与としてゴルフ会員権を夫から分与されたいと思っている。注意すべきポイントはなんですか。

A財産分与する場合、ゴルフ会員権を評価して清算します。妻は夫から譲り受けたゴルフ会員権の名義書換手続をしただけでは、メンバーとしてゴルフをすることはできません。
メンバーとしてゴルフをするには、ゴルフクラブの理事会の承認を得て、クラブに入会しなければなりません。審査にはクラブ独自の審査基準があり入会に厳しいクラブもあります。
財産分与としてゴルフ会員権を譲り受ける場合、その財産的価値のみならず、クラブのメンバーとしてゴルフをすることが目的である場合には、事前にクラブに入会するための条件を問い合わせ入会が可能かどうか調べておく必要があります。
入会が難しい場合は、ゴルフ会員権を売却して、その売却代金を財産分与してもらうこともできます。
なお名義書換については、手続きへの協力義務を課しておく必要もあります。

Q夫婦の財産として夫名義の預金700万円、妻名義の預金200万円の他、夫名義のマンション(時価2,000万円)があります。ただ夫を主債務者、妻を連帯債務者として借り入れに住宅ローンが1500万円残っています。妻はマンションの取得を希望しています。

A本件の妻のように住宅ローンの債務者となっていない者がその取得を希望する場合、残ローンの支払いをどうするかが問題となります。
妻が仕事をしていて収入を得ているとか、実家の援助が期待できるなど住宅ローンを支払っていくことができる見込みがあれば、妻が残りのローンを支払っていくことを条件にマンションの財産分与を受けることを夫に承諾してもらいます。本ケースでは、財産分与の対象となる財産の総額が、1400万円(夫の預金700万円+妻の預金200万円+自宅2000万円-住宅ローン1500万円)そして分与率2分の1として、その相当額が700万円となります。
妻が住宅ローンを全額負担してマンションを取得すると(Bの取得分=Bの預金200万円+自宅2000万円-ローン1500万円=700万円)でバランスが取れました。
なお、残りの住宅ローンを妻が支払っていくことを条件に夫が妻にマンションを財産分与することに応じたとしても、このような弁済者の変更を伴う合意は、債権者である銀行が承諾しない限り、銀行に対する関係で効力を生じません。住宅ローンの債務者の変更が可能かどうかを借入先の銀行に確認しておく必要があります。

Q夫には愛人ができて、現在家を出てその愛人と同棲しています。私(妻)は相当額の財産分与があれば離婚に応じてよいと思っていますが、財産分与の中に慰謝料的要素を含めることができますか。

A財産分与には①夫婦が婚姻中に形成した実質的共有財産の清算と②離婚後扶養③離婚に伴う慰謝料を含むことができます。
もっとも、婚姻の破綻について夫婦の一方に有責性が認められる場合は、他方は財産分与とは別に不法行為に基づく慰謝料を請求することができます。
したがって、慰謝料的要素を含めて財産分与の額や方法を決めるのか、慰謝料は財産分与とは別に決めるのかは、当事者の考え方次第です。
なお、慰謝料を含めた財産分与として、多額の金銭の支払を受けた場合に贈与税の問題が生じないか注意しましょう。

Q私(妻)は夫と性格の不一致により離婚を考えています。私は子ども(6か月)を養育していくつもりですが、しばらくは就労もできないし、当座の生活資金もありません。夫は相続した多額の金融資産を有しています。扶養的要素を含む財産分与をしてもらえますか。

A夫婦間の扶養義務や婚姻費用分担義務は離婚により消滅します。
しかし、夫婦の一方が病気や未成熟の子の監護養育の必要があって就労が制限される場合には、離婚後扶養として財産分与が認められています。
ただ、本件は妻が特有財産を有している場合、生活に困らない場合、清算的財産分与により相当の財産を取得した場合には認められないでしょう。
また、扶養的財産分与は扶養の趣旨ですので、財産分与義務者に扶養能力があることが必要です。本ケースでは夫には相続財産が十分有るのでこれを満たします。
扶養的財産分与に応じることになった場合、その具体的方法について協議することになります。
扶養的財産分与の方法として、一時金を支払う、定期金を支払う、妻子が居住する不動産を妻に取得させる、妻子が居住するための使用貸借を設定するなどの方法があります。
離婚後扶養を継続する期間は、通常離婚後1年から3年程度でしょうか。もっとも相当長期の離婚後扶養を合意することもあるでしょう。

Q、財産分与対象財産の確定の基準時は、別居時(あるいは離婚時)と聞きました。別居時私(妻)には200万円の預金がありました。しかし、子どもが大学に入るので、150万円を私(妻)が預金を解約し、支払いました。この場合でも、財産分与の対象財産は、別居時の200万円ということになりますか。

A、別居後に、妻が保有財産を減少させても、それが生活費や子どもの教育費のためであれば、減少後の資産を財産分与の対象とすることもできます。
この場合でも、妻が解約した、預金分150万円を財産分与の対象財産として取り扱わないことができるでしょう。

Q、結婚後、自宅を購入する際に、私(妻)が独身時代に貯蓄した預金500万円を頭金として出しました。自宅購入の代金は2,500万円です。残り2,000万円は夫が住宅ローンを組み既に完済しています。現在の自宅の時価は1,500万円です。離婚の際、財産分与で私(妻)が出した、頭金500万円は考慮されますか。

A、資産形成についての寄与度が妻の方が夫よりも大きいとして、計算上、考慮することができます。
(寄与度の計算)
(1,500万円+2,000万円×2分の1)÷2,500万円=5分の3
妻の自宅財産に対しての寄与度は、5分の3
(取得額)
1,500万円×5分の3=900万円  妻の自宅についての財産分与額は900万円。
           
Q、私(妻)は別居時から、夫から生活費(婚姻費用)の支払いを受けていません。財産分与の際、この未払い分を考慮することができますか。

A、未払い婚姻費用がある場合、妻の取得額に未払い婚姻費用を加算することができます。

Q財産分与は離婚後2年以内に請求する必要があります。この2年という除斥期間が経過してから、夫が財産を隠していたことが分かりました。もう財産分与は請求できないでしょうか。

A、財産分与請求できるでしょう。また、隠匿行為の証拠があれば、不法行為や不当利得を理由に請求することも可能でしょう。

Q、住宅ローンがある場合の住宅の妻が引き続き住宅に居住するために、財産分与をどうすればいいでしょうか。妻が住宅に住む場合は以下のようなパターンがあります。

1不動産名義を妻に変更し、妻が住宅に居住し住宅ローンの債務者を夫のままとする場合(銀行との協議が必要)
2妻が住宅に居住し、不動産名義と住宅ローンの債務者を夫のままとし、夫がローン完済後に妻に所有権移転登記をする。
3不動産名義を妻に変更し、妻が住宅に居住し、住宅ローンの債務者を妻にする場合(銀行との協議が必要)
4不動産の名義と住宅ローンの債務者を夫のままで妻が夫にローン額と同額の代償金や家賃を支払う場合。ローン完済後不動産名義を妻に変更する。

Q、不動産の名義と住宅ローンの債務者を夫のままで妻が住宅に居住する場合、夫が住宅ローンの支払いしなくなった場合に備えて、妻を保護する方法はありますか。

A、その場合、妻が残ローンを支払い住宅を守ることが考えられます。
そして、支払金額につき、妻は夫に事前あるいは事後の求償権を行使することが考えられます。
求償権行使には公正証書で定めておくとよいでしょう。

Q、夫名義の住宅に妻が居住し、ローン完済後住宅を財産分与される場合、妻は住居するにはどのような法的根拠を有したらいいでしょうか。

A、使用貸借を設定することが考えられます。使用貸借とは、目的物を無償にて借りることができる権利です。
賃貸借契約を結ぶこともできます。この場合賃借権の登記をすれば、住宅の物件取得者に賃借権を対抗できます。たとえば、夫が住宅を売却した第三者や夫の相続人などにです。

Q、夫が住宅ローンを借りるときに私(妻)は連帯保証人になりました。離婚に際しての財産分与では夫が住宅をもらうことになりました。私(妻)の住宅ローン債務についての連帯保証も消滅しますか。

A、離婚してもあるいは夫がその住宅を財産分与で取得しても妻の連帯保証は消えません。なぜなら、妻は銀行などの金融機関と連帯保証契約をしているからです。ですから、銀行などと協議したうえで、同意がなければ妻の連帯保証契約は存続したままです。
この場合、妻は夫と話し合いを持ち、妻に代わって夫の親族などを連帯保証人に立ててもらい、それについて銀行などから同意をもらうことで、連帯保証から抜け出ることができます。

Q夫はあと3年で会社を退職します。私(妻)は夫の退職金は財産分与の対象としてもらえますか。

A結婚期間中に退職金が支給されていれば、預貯金や現金に還元されて財産分与の対象になります。ただしあくまで夫婦が婚姻中協力して形成した財産であることが必要ですから、原則として婚姻期間に相応する部分に限られます。
定年退職が目前で、退職金の支給がほぼ確実に見込まれるようなときは、財産分与の対象に含むのが一般的です。退職金の財産分与を請求しましょう。
支給の見込みは、就業規則や支給基準をもとに確認します。請求時期についても明確にしておく必要があります。
退職まで期間があり会社の経営状態や退職理由により退職金が支給されるか不確定な時は財産分与の対象とされないことがあります。

Q夫は経営する会社に資産をため込んでいます。私(妻)は夫の経営する会社名義の財産は財産分与としてもらえるでしょうか。

A会社と経営する夫は法律的には別人格です。そのため会社の保有する財産は夫婦にとっても第三者名義の財産であり、原則として会社財産について別れる妻が財産分与を請求することはできないでしょう。
しかし、株式の保有状態や経営状態からみて、経営者の個人経営である場合には会社の財産イコール夫の財産となり、この場合には会社財産を財産分与の対象にできるでしょう。


     

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