千葉県の女性の方の離婚の法律知識

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女性のための離婚知識Ⅱ

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夫の主張に負けない―妻の離婚知識と交渉術

1、慰謝料編

Q夫が不倫しました。私(妻)離婚をしようと思っていますが、夫は慰謝料を一括で支払えそうにありません。慰謝料を分割でもらう場合の注意点はなんですか。

A条項に単に分割して支払う旨を記載しただけでは、分割払いの支払期日が到来した分についてしか請求できません。これでは、将来に支払期日が到来するものについては、その都度強制執行の手続きをしなければならず、面倒です。
そこで、分割払いを怠った場合には、将来の分も含めて一括して請求できるようにしておく必要があります。これを期限の利益喪失約款といいます。将来まで支払を猶予するという相手方にとっての期限の利益を失わせるのです。一般的には、分割払いを2回怠った場合に期限の利益を失わせるというものが多いです。
期限の利益喪失約款を付けるのがポイントです。

Qでは、一括で支払える場合、慰謝料を一括で期限までに支払う場合の注意すべきポイントはなんですか。

A相手方が慰謝料の一括払いを約束する場合、期限において確実に支払いを受けるためには慰謝料の支払義務を確認する条項と具体的に金銭を支払う給付条項を明確に記載する必要があります。給付条項が記載された強制執行認諾文言付公正証書が執行力ある債務名義となり、これにより強制執行できます。したがって給付条項の記載に漏れがないかどうかを確認します。

Q慰謝料を取り決めたら注意する点はありますか。

A協議離婚の話合いでは、慰謝料の金額だけではなく、支払方法や支払期限についても決めます。話し合いで取り決めた内容は文書にしておきます。
強制執行認諾約款のついた公正証書で作成しておきましょう。

Q夫は浮気をしました。夫の浮気相手から慰謝料は取れますか。

A相手に配偶者がいることを知りながら(故意)又は知ることができたにもかかわらず(過失)、肉体関係をもった場合、不法行為が成立します。
夫の浮気相手は妻に対して不法行為(共同不法行為)を行ったことになり、損害賠償責任を負います。浮気相手の女性にも慰謝料を請求できます。
まず、内容証明郵便で相手に慰謝料を請求いたしましょう。
ただ、夫が浮気相手に対して、自分には配偶者はいないとうそをついていて、信じ込ませていた場合などは、浮気相手に責任が生じない場合もあります。
そのような場合、あなたが浮気相手から確実に慰謝料をとることができるとは限りません。

2、養育費編

Q夫と離婚しようと思っています。子どもの養育費の額はどれくらいもらえるでしょうか。

A養育費の額は支払う側の経済的なレベルを標準にして定められますが、一方の収入や生活だけで決められるわけではありません。基本的には、養育する側でない親が負担するものですが、養育する側にもそれなりの収入がある場合は、それも考慮に入れて決められます。
一般家庭では、子ども1人に4~5万程度でしょうか。裁判所が算定表を示しています。

Q離婚の際親権をもらう代わりに、今後一切養育費を求めない、と約束しました。その後事情が変わって金銭的に苦しくなったとしても、一切請求できなくなるでしょうか。

A親がいったん養育費の請求を放棄しても、本来は子どもの権利であることを根拠に改めて請求することができます。しかし、離婚時の合意内容は最優先でなければなりませんから、それが変更できるのは、合意内容が子どもに大きな不利益をもたらす場合などに限られるとの考え方が裁判所では主流です。

Q離婚の際養育費を決めました。しかし出費がかさみます。毎月の子どもの養育費を増額してもらうことはできますか。

A基本的には離婚時に取り決めた養育費の額や支払期間は変更することはできないでしょう。
しかし、養育費は子どもが社会人として自立するまでの期間の支払いですから、時がたつと、事情が大きく変化することがあります。子どもが成長すると学費もかさみ、公立校か私立校かで費用も大きく違います。また、養育費を受ける側が失職して収入が減った場合など養育費の増額を望むこともあるでしょう。
そこで、経済的事情が離婚時と大きく変化した場合には、養育費の増額が認められることがあります。

Q養育費は長期にわたって必要なお金です。負担する側の変化により受取が困難になるという話も聞きます。子どものためにも養育費に関するトラブルを避けるにはどうしたらよいでしょうか。

A協議離婚ならば、離婚時に強制執行認諾文言付の公正証書を作成しておきます。
強制執行とは支払義務者の給料、退職金、預金口座、不動産、家財道具、自動車などを差押え、養育費の支払いに充当する措置です。
給料は2分の1まで差押えることができ、過去の未払い分だけでなく、将来の分も差押えることができます。給料の差押えができるので、相手がサラリーマンの場合には確実な効果があります。
養育費の支払いを確実にさせるためには、離婚時に強制執行認諾文言付の公正証書を作成する必要があります。

Q強制執行認諾文言付公正証書とはなんですか。

A金銭の一定額の支払などについて、公証人が作成する公正証書で、「債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述」が記載されているもの(執行証書)です。
執行証書となるためには、債務支払いの意思表示が記載されているだけでなく、公正証書に記載されている債務が、①他の債務と区別しえる程度に特定され、②一定額で表示されていることが必要です。
たとえば養育費を取り決めるのにあたり「長男乙の高校の学費はAが負担する」というような条項では執行証書とならないでの注意が必要です。

Q夫の仕事は、自営業で将来の収入が見通せません。子の養育費について、一括払いしてもらうことはできますか。

A養育費は月々支払うのが原則です。養育費は継続的に生ずる子の監護養育費用であり、継続的定期的に支払われるべき性質のものです。また親の収入や子の死亡など将来にわたる事情の変化に対応する必要もあります。
しかし、相手方の将来の収入が見通せず離婚時に一括払いを受けて履行を確保したり、あるいは
離婚後はお互いに接触をしたくない等の理由から、当事者が一括払いを希望する場合もあります。
よって、当事者が合意している場合は認めてよく、実務上も双方の合意により認められています。

Q別居しており、相手方に婚姻費用が支払われていない場合などは、過去にさかのぼって養育費を支払ってもらう合意をすることができると教わりましたが、過去の養育費を財産分与の中に含めることはできますか。

A財産分与は当事者双方の事情を総合的に考慮して決定することもできますので、養育費の清算をせず、財産分与の中に過去の養育費を含めることができます。

Q子が将来進学するかもしれない私立学校の学費や大学の入学金・授業料の負担者や負担割合をあらかじめ決めることはできますか。

Aできます。一般に養育費は子を監護養育するための費用ですが、月々の教育費もこの中に含まれます。ですから、公立小・公立中にかかる費用等は月々の養育費に含まれると考えられます。
ただ、子が私立学校に通ったり、大学に進学した場合には、通常の教育費とは別に多額の学費を負担しなければなりません。このような場合に備えて、夫婦間で特別な学費の負担者や負担割合を決めておくことが良いでしょう。

Q将来の学費等について、金額や支払時期が分かっている場合には、その金額等を明示して条項を作成できますが、金額等が未確定の場合はどうしたらよいでしょうか。

Aどの範囲の費用を負担するか、たとえば入学金と授業料だけか、交通費や教材費、受験料やクラブ活動費も含めるのか、できる限り明確にしておくと後日の紛争を防ぐことになります。
同じく、塾や予備校の費用や、おけいこ事の費用の負担者や負担割合も決めておくこともできるでしょう。
実際の事例では、こがまだ幼く大学進学等の費用負担者等をあらかじめ決めておくことが難しい場合も多く「大学進学の費用については、当事者間で別途協議の上、応分の負担をする」と定めることもできます。

Q将来、子にけが、病気、事故等で入院費や治療費等多額の費用がかかった場合に備えて、医療費の負担者や負担割合を決めておくことはできるでしょうか。

A月々の養育費とは別に、あらかじめ医療費の負担者や負担割合を合意により決めておくことができます。ただ、それらの医療費がいつ、いくらかかるかを離婚協議書作成時に予想することはできません。よって、金額や支払時期までは決めることはできません。
特別な医療費の負担者等を決めず、「当事者双方は、前項金員の他、子のため病気、事故その他の特別の出費が必要となった場合は、別途協議する」とだけ定める場合もあります。

3、親権編

Q今度離婚します。子どもがいますが、どちらが親権者になるか基準はありますか。

A一般的には、母親が親権者になる場合が圧倒的に多くなっています。
実際に子どもの世話をする、子どもの教育環境を整えるなどの点から検討した結果、母親と一緒にいたほうが子どもにとって生活しやすい環境であると判断されることが多いからです。
ましてや、子どもが義務教育にも達していない幼児の場合は、特にそう判断されることが多いでしょう。
親権者の決定基準となるポイントとして、以下のようなものがあります。ここで紹介する決定基準はあくまで、裁判離婚の場合の基準ですが、一般的な協議離婚の場合も同様の基準を応用できると考えられます。
①監護の継続性 
 たとえば、別居期間中に子どもを母親が監護していれば、母親が親権者として、ふさわしいということになります。
②健康状態が良好であること。
③子どもと接する時間が取れること。
④子どもの年齢及び子ども自身の事情も考える。
 10歳くらいまでは子どもは母親とのスキンシップが重要であるという判断で、これに対し15歳以上になれば子どもの意思や希望が考慮されます。
⑤経済的事情
⑥離婚に際しての責任。→有責配偶者が不利になることはあります。
⑦監護補助者となる、祖父母などの親戚などあてがあるか。

Q子どもの父親を親権者としました。しかし、父親が素行不良です。父親から親権を奪いたい場合どうしたらよいでしょうか。

A親権者が親権を濫用し、又はひどい素行不良があった時は、子の親族又は検察官の申立により家庭裁判所が親権喪失の宣告をして、親権を奪うことができます。
なお、親権喪失に代わる緩やかな措置として、最長2年間、親権を喪失させないで停止することができます。

4、姓と戸籍編

Q結婚して姓が変わった側(多くは妻)にとって、離婚後の姓がどうなるかは、大きな問題の一つ。離婚後の姓は、必ず旧姓に戻さなければならないでしょうか。結婚時の姓を名乗りたい場合は、どうすればいいでしょうか。

A籍を抜いた側(多くは妻)の離婚後の姓は、旧姓にもどるのが原則となります。もし、旧姓でなく結婚時の姓を継続して使用したいのであれば、離婚の際に称していた氏を称する届を離婚から3か月以内に出さなければなりません。
離婚届提出の際、すでに結婚時の姓を使用すると決めているのであれば、離婚届けと同時に上記の届を提出します。離婚の日から3か月という期間を過ぎると家庭裁判所への申立が必要となります。

Q子どもと姓を同じにしたい場合は、どうしたらよいでしょうか。

A2つの選択肢があります。
筆頭者でない人(多くは妻)が、離婚の際に称していた氏を称する届を離婚後3か月以内に提出することによって、結婚時の姓を名乗るという選択を行う方法です。
ただ、この場合、筆頭者でない人(多くは妻)と子どもの戸籍は別々のままのため、見せかけは同じであっても、法律的には異なる姓とみなされます。
しかし、日常生活において、戸籍上同じ姓かどうかが問題となるケースは少ないので、便宜上同じ姓であればよいという人は、この方法が最も簡単かもしれません。
法律上も、子どもと同じ姓でありたいと望む人については、子の氏の変更にかかわる手続きを行わなければなりません。氏とは姓だけでなく戸籍も含む概念であることから、戸籍変更の手続きも同時に行うことになります。
したがって、申請は直接市区町村とはならず、家庭裁判所への申立を経由する必要があります。
子の氏の変更については、期間の制限はありません。子ども自身の意向を尊重し、進学等のタイミングや本人が希望する時期などを見計らって変更するという選択もあり得ます。
民法も15歳未満の子どもの場合の氏の変更については、親権者が法定代理人として、申立できるのですが、15歳以上の子どもについては、子ども自身が自らの意思で氏の変更を申立てることができると規定しています。

5、婚姻費用編(別居費用編)

Q離婚が成立するまでの別居中の生活費を請求したいのですがどうなりますか。

A法律上、夫婦は同程度の生活を続けるためにお互いを扶養する義務があります。離婚の決意後も離婚届けを提出するまでは、婚姻状態が続きます。
ですから、離婚を話し合う間、別居期間中も婚姻費用として生活費をお互いに分担しなければなりません。

Q具体的にどういうことになりますか。
たとえば、夫がサラリーマンで妻が専業主婦(収入なし)の場合、夫が婚姻費用は全額負担し、必要な額を妻に支払います。
また、夫婦共働きですが、妻の収入が少ない場合、夫から婚姻費用の差額を夫の分から妻に支払います。
つまり、相手より扶養の必要性が高いときには、婚姻費用を請求できるのです。
婚姻費用とは、夫婦の日常の生活費です(たとえば、衣食住の費用、子どもの養育費、交際費、娯楽費、医療費などです)

Q別居中の婚姻費用の請求のポイントを整理してください。

A①婚姻費用は夫婦が同レベルの生活を営めるようにする目的があります。
 ②扶養される必要性が高い方が請求します。
 ③婚姻関係が続く限り支払います。
 ④別居することに責任があり婚姻費用が請求できなくとも、別居している子どもの養育費は支払わなければなりません。

6、法定離婚原因編

Q協議離婚が困難なので調停に持ち込みましたが、やはり無理でした。裁判になる場合、法定離婚原因にはどのようなものがありますか。

A 法定離婚原因は、以下の通りです。
①1号 配偶者に不貞の行為があったとき。
②2号 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
③3号 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
④4号 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
⑤5号 その他婚姻を継続しがたい重大な事由のあるとき。

Q、5号のその他婚姻を継続しがたい重大な事由とはなんでしょうか。
一般的に言えば、婚姻関係が破綻しているということです。次の事由により婚姻関係が破綻しているような場合です。
①性格の不一致 ②暴力・精神的虐待 ③浪費・借金 ④家庭をかえりみない
⑤相手の親族との不和 ⑥宗教にのめりこむ ⑦飲酒 ⑧性生活の拒否・強要
⑨配偶者の病気などです。

Q夫は長い間家を出て、不倫女性と暮らしています。夫が離婚を求めてきています。離婚原因をつくった夫からの離婚請求は認められるでしょうか。

A自分で離婚原因(たとえば浮気)を作っておきながら、さらに身勝手な要求をしているわけです。原則として、有責配偶者からの離婚請求を認めていません。しかし、事実上夫婦関係は破たんしており、愛情もないのに形だけ夫婦であり続けても本質的な解決を見ません。そこで、裁判所は例外的に有責配偶者からの離婚請求を認めています。

Qでは、夫(有責配偶者)からの離婚請求を認める要件はなんですか。

A①別居期間が長期に及ぶこと。
 ②夫婦間に未成熟の子がないこと(ただし未成熟の子がいても離婚により特に不利益を被る恐れがない場合は、この限りでない)
 ③離婚により、相手方配偶者が、精神的社会的に過酷な状況におかれるような事情がないこと。
 ④有責配偶者から相手方配偶者に対し、相当額の財産分与や慰謝料の支払いの申し入れをしていること。
これらを満たしていれば、夫婦に離婚を認める判決が下る可能性はあります。

7、離婚の流れ
Q離婚の流れを説明してください。
 ①離婚の意思を相手に伝えます。
 ②夫婦で離婚についての話合いをします。
 ③そして、離婚そのものについて合意します。
 ④次に、離婚をするときの条件(財産分与・慰謝料・養育費・親権・面会交渉・その他)について話し合い、合意します。
 ⑤離婚協議書(公正証書)を作成します。公正証書で作成しておくと安心です。
 ⑥離婚届を提出します。
 ⑦離婚が成立します。
 ⑧離婚後の各種手続きをします。


     

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